老後の医療費はどのくらい必要なのか。元経理マンの中町敏矢さんは「同じ手術でも、サラリーマンは10万円だが、住民税非課税者の70歳なら8000円で済む。低所得・高齢者ほど医療費は優遇されているので心配ない」という――。
※本稿は、中町敏矢『月14万円の年金で夫婦が生活している術』(ぱる出版)の一部を再編集したものです。
無料・格安で治療を受けられる「無料低額診療事業」
「おカネがないから病院には行けない」と諦めることはない。
おカネがなくてもOKという病院がある。それは「無料低額診療事業」という制度にかかわる医療機関だ。
生活保護を受けていれば、自治体に指定された医療機関でかかる医療費は無料になる。
一方、無料低額診療事業は、生活保護を受けていないが、経済的に立ち往生している人が、無料または格安で治療が受けられるという、法で規定された制度である。
ただし、どの病院でもやっているわけではない。厚生労働省が2021年にまとめたデータでは、全国732カ所の医療機関が実施している。
収入が生活保護基準の120%以下なら無料、140%以下なら安くする、という基準を設けている病院が多い。
〈無料低額診療施設の探し方〉
・インターネットで「無料低額診療 病院 住んでいる地域」で検索する。
・全日本民医連のサイトがくわしい。
・自治体の社会福祉担当の部署や、社会福祉協議会でも紹介してくれる。
〈無料低額診療を受ける手続き〉
1.病院に駐在する医療ソーシャルワーカーと面談する。無料低額診療を行っている病院には、必ず医療ソーシャルワーカーがいる。
2.面談では収入、生活状況、健康状態についての確認がある。
3.収入の説明のため、年金通知書、給与明細、預金通帳などを持参する。