“第2のアルケゴス・ショック”が起きるのか

世界全体で景気の先行き見通しが悪化し、資産価格の下落懸念が高まると、金融機関は資金を貸し付けた投資家に追加の担保差し入れを求める。それに対応できない場合、投資ファンドのビジネスは行き詰まる。

結果的に、投資ファンドは債務の返済のために保有していた株式などを投げ売りせざるを得なくなる。すでにそうしたケースが起きてきた。2021年3月、米国の投資ファンド、“アルケゴス・キャピタル・マネジメント”が巨額の損失を発生させた。それによってクレディ・スイスなど大手金融機関も損失に直面した。

アルケゴスはファミリーオフィスと呼ばれる形態をとった。ファミリーオフィスは主として個人の資金を運用する。そのため、主要先進国の規制の強化が遅れた。近年、仮想通貨に資金を振り向けるファミリーオフィスは増えた。相場のさらなる調整によって、ファミリーオフィスなどの投資ファンドが相応の損失に直面する展開は排除できない。それが現実のものとなれば、大手の金融機関も損失に直面し、世界経済と金融市場の不安定感は一段と高まるだろう。

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