目標世界2万店、売上高6兆円を目指す

個人個人の購買行動を把握し、それぞれにきめ細かく対応するマーケティング(ワン・トゥ・ワンマーケティング)の実現に向け、データベースの構築に取り組む。直近の来店日や来店頻度から顧客の属性を8つに分類し、それに合わせたアプローチを展開。来店頻度が減り、会員から離反する可能性のある顧客に対してクーポンなどの来店を促進するプログラムを始めている。

白鳥和生『不況に強いビジネスは北海道の「小売」に学べ』(プレジデント社)

AIを搭載したビーコン(電波受発信器)を店頭に設置することで、顧客の店内動線情報の収集や店内販促機会の拡大も進める。このビーコンから、ツルハのアプリに対してプッシュ配信を行い、売場と連携した販促施策につなげる。サイトログ、アプリログ、ID-POS(顧客属性が紐付いた購買データ)や店内行動データを統合したプラットフォームを構築し、店内・店外を問わずに販売促進活動の有効性を高めている。

実現不可能とも思える大きなビジョンを掲げ、その夢の実現に向けて邁進することがツルハグループの企業文化だ。現在の中期目標は2025年5月期に2750店舗、売上高1兆600億円。だが、北海道札幌市の本部内に貼り出しているのは「目標世界2万店 売上高6兆円」だ。同社の規模拡大を支える「20倍」のビジョンは継続されている。

関連記事
なぜ「ポポポポポー」が気になるのか…販促グッズ・呼び込み君が効果的なのは「モノラル音だから」である
値上げはしないが、社員の給料は上げる…シャトレーゼが「前代未聞の宣言」をした本当の理由
なぜ北海道の過疎地でも成り立つのか…大手コンビニの真逆を行く「セイコーマート」の独自モデル
全商品がアマゾンより安い…北海道民がこぞって使う宅配サービス「トドック」がそれでも成り立つワケ
「間違えたんだから、責任を取れ」オペレーターに詰め寄るモンスター客に上司が放った"爽快なひと言"【2022上半期BEST5】