MLBとは別組織のアメリカ独立リーグでは、投球の判定に機械を導入する動きがあるという。

そうなると、これまでのストライクゾーンの認識とは違う球が「ストライク」と判定されて、戸惑うこともあるだろう。

しかし、テニスやサッカーなどでは、すでに画像判定が導入されている。

野球でも何十年かのちには、球審に代わって機械がストライクボールを判定することが普通になっているのかもしれない。

データ化された「選球眼のよさ」

「選球眼がよい」「粘り強い」「積極的に打ちにいく」など、選手のタイプを評する表現はいろいろある。

鳥越規央『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)

だが、こうした打者の特性を示す数値を、公式記録だけで示すことはできない。

たとえば「選球眼がよい」ことを示すのに、従来は四球の多さに着目することが多かった。

四球獲得能力の測定は、「四球÷打席数」で算出する「BB%」の利用が主流だ。

だが、過去には「出塁率-打率」で算出する「IsoD」(Isolated Discipline)が、四死球による出塁度合いを測る指標として提案されていた。

しかし、四球の多い打者というのは、投手が勝負を避けざるを得ない長打力のある強打者であることも多い。

そのため、選球眼を測る指標として「IsoD」を使うことに疑問が呈されるようになった。

そこで、「ボール球に対してスイングする割合」で、選球眼の良し悪しを測ることが考えられた。

これが「O-Swing%」と呼ばれる指標だ。

この数値が小さいほど、ボール球に手を出す割合が少なく、選球眼がよいとされる。

写真=iStock.com/Dmytro Aksonov
「選球眼のよさ」もデータ化されている(※写真はイメージです)