長期でプラスサムゲームの恩恵を受ける
プラスサムゲームは理論上、株式投資がそうなる可能性があります。仮に株価が右肩上がりで上昇していけば、全員が投資に使った金額以上の利益を得ることができます。そんな都合のいいことがあるか、と思うかもしれませんが、短期間で考えればプラスサムゲームになる確率は低いですが、10年、20年という長期間で考えれば、世界の経済が成長し続ける限り、いくつもの企業の株価から算出される株価指数も上昇し続ける可能性が高くなります。
よって、日本の株式市場なら日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)、米国の株式市場ならNYダウやS&P500などの株価指数に連動するインデックス投信を淡々と長期間つみたてればよいのです。ちなみに、これらの株価指数を構成している銘柄は時代を代表する銘柄に入れ替えられていく作業が発生するため、何も考えずに投資していても勝手に株価指数の中身がリフレッシュされていきます。
当然、その構成銘柄の中には円高のほうが恩恵を受ける銘柄もありますが、逆に円安のほうが恩恵を受ける銘柄もあるため、いちいち円高だとか、円安だなどと為替を気にする必要もありません。
2つの指標で「穴場株式」を探す
もうひとつの方法は個別の株式に投資する方法です。こちらは銘柄分析に少し時間を割いてもいいという方にオススメの投資手法になります。多くの人が注目していて過剰評価されているような銘柄ではなく、割安に放置されている銘柄を探します。その際に2つの指標を見ましょう。
ひとつはPER(株価収益率)です。PERは、株価を1株あたりの利益で割って求めます。株価が会社の利益の何倍まで買われているかを表す株価指標で、その値が低いほど、実態と比べて株価が割安と判断ができる指標になります。
たとえば、ある会社の株価は1000円で、1株あたりの利益が100円なら、PERは10倍ということになります。同じ株価でも、1株あたりの利益が50円なら、その会社のPERは20倍ということになりますから、この場合は前者のほうが割安と判断できます。
PERを用いてその会社が割安かどうか判断する場合は、その会社のPERが、その会社が属している業界・産業の平均PERと比較して低いかどうかを見て判断しましょう。