いまお金を増やすには、どんな知識が必要か。経済アナリストの森永康平さんは「歴史的な円安で、日本のモノに対する需要はかつてなく高まっている。いま投資をする際には、そのことを踏まえておく必要がある」という――。

※本稿は、森永康平『大値上がり時代のスゴイお金戦略』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

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円高・円安を気にせず投資したいときは…

2022年秋時点では円安が報じられていますが、筆者はこのままずっと円安が続く、つまり、円の価値が外貨に対して下落し続けるとは考えていません。たとえば、米国が利上げをしすぎて景気が減速すれば、利上げをやめて、場合によっては利下げに転じることもあるでしょう。その際、仮に日本が金融緩和をやめて、遅ればせながら少しずつ金融政策を引き締め気味に転換していけば、現在とは逆に円高が進んでいくと考えます。

為替市場というのは一方向に進行し続けることはなく、円安に振れることもあれば円高に振れることもあり、その時々に応じて期待できるリターンが高くなるような投資手法を選択することができればいいのですが、やはり多くの方にとっては、日々の生活を送るなかで市場の動向を見ながら投資手法を考える時間などないでしょう。

理想的には円高や円安を気にしないでできる投資手法があればいいのですが、そのような都合のいい投資手法はあるのでしょうか。

ひとつ目のおすすめは「つみたて投資」

ここでは2つの投資手法を紹介します。ひとつ目は「つみたて投資」です。年間の投資額が40万円以内ならつみたてNISAを活用し、投資額が40万円を超える場合は、その部分を普通の証券口座で運用するといいでしょう。それでは、なぜつみたて投資がいいのでしょうか。

世の中にはマイナスサムゲーム、ゼロサムゲーム、プラスサムゲームという考え方があります。一番分かりやすいのはゼロサムゲームで、たとえば2人が各自100円ずつ出してジャンケンをしたとします。勝ったほうが場に供託された200円を総取り、負けたほうは100円を没収される。つまり、各自が使ったお金の合計と、各自の損益の合計が同じになるのがゼロサムゲームです。

マイナスサムゲームは競馬や宝くじがいい例でしょう。みんなが馬券やくじを買うために使った金額の合計から一部を運営が差し引いて、残った金額を当たった人に配分していくわけですから、各自の損益の合計は使ったお金の合計よりも少なくなります。