割安で放置されている銘柄には何かある
つぎに見るのがPBR(株価純資産倍率)です。PBRは株価を1株あたりの純資産で割って求めます。PBRの見方は単純で、1倍を下回っていれば割安ということになります。
なぜなら、理論的にはPBRが1倍を下回っている会社があるのなら、その会社の株を100%買い占めて、そのまま解散してしまえば、100%の株を買い占めるのにかかった金額以上の資産を売却して儲けることが可能だからです。分かりやすくいえば、1万円札が入っているお財布を5000円で買うようなことでしょうか。
しかし、ただPERが業界平均より低いから、またはPBRが1倍を下回っているからといった理由だけで投資する銘柄を選ぶのは危険です。なぜなら、本来であれば割安なら投資家が放っておくはずがないのに、割安に放置されているのには何か理由があるからです。
そこで、これらの割安指標を見たうえで、さらに最低でも数年間は増収増益を続けていて、しかもそれなりの営業利益率を維持しているような企業を探すことが重要です。ここに時間がかかるわけですが、手間をかけるからこそ、投資におけるリスクを低減させることができるのです。
さらに欲張れば、「配当性向」が高いとなお良いですよね。NISAで買えば配当金にかかるはずの税金も非課税になります。配当性向とは、会社が当期純利益のうち、どれだけを配当金の支払いに向けたかを示す指標です。配当性向は、1株あたりの配当額を1株あたりの当期純利益で割って求めます。
好業績にもかかわらず、割安で配当性向の高い銘柄を探して投資をしておけば、為替が円高だとか、円安ということをそれほど気にする必要もないでしょう。
円安時代の買い物の「極意」
円安になると海外から輸入するモノの値段が上昇するため、国内のインフレ圧力が高まります。一方で、円安になることで従来は海外からの訪日観光客が増えるというメリットが生じるはずなのですが、コロナ禍が続く間は難しいでしょう。
このように、円安になるとメリットとデメリットの両方が同時に生じるのですが、私たちは普段の買い物においては何を意識すればいいのでしょうか。