科学者から見ればNGな「朝食に甘いシリアル」

カロリーはみな同じではないという事実は、加工食品業界が必死でごまかそうとしていることだ。この事実はカロリー計算の陰に隠れてしまう。カロリー計算によって、大量の果糖から注意をそらすことができるからだ。果糖はグルコースと違い、筋肉のエネルギーとして燃やすことができず、消化後にほぼすべてが脂肪になる。

ジェシー・インチャウスペ『人生が変わる 血糖値コントロール大全』(かんき出版)

今度食料品店に行ったら、菓子の箱や袋に印刷された「キャッチコピー」を見てみよう。わたしの言っていることがわかるはずだ。食品メーカーは、カロリーはみな同じだと力説する。真実は彼らの利益を脅かすからだ。簡単なトリックである。

まさにこの方法で、スペシャルK(アメリカのケロッグ社のシリアル)は商業的に成功し、典型的な減量シリアルとして消費者に受け入れられた。パッケージには誇らしげに「たった114キロカロリー!」と宣伝文句が書かれている。

わたしたちは、それについてよく考えもしなかった。また、スペシャルKはカロリーが比較的少なくても、砂糖がコーンフレークのようなほかのシリアルの2倍も含まれていることを知らなかった。114キロカロリーの糖とデンプンが、血糖値スパイクやインスリンスパイクを引き起こし、卵やトーストの114キロカロリーより体重を増やすことも知らなかった。そして朝食のスペシャルKの114キロカロリーが、わたしたちをグルコースのジェットコースターに乗せ、1日中渇望をもたらすことも。

しかし今、持続血糖測定器と好奇心に満ちた科学者たちのおかげで、朝食のシリアルは間違いなく、絶対に、1日を始めるためのよい方法ではないという証拠を、わたしたちは握っているのだ。

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