党員が『赤旗』を読まなくなっている

党員の義務とされる大事な三つの柱のうち二つが曖昧になっていたら、義務を果たそうとする気概が党の全体から失われていくことになるのは必然です。

私は党専従になって以来、国会議員秘書に就いていた時代までいろいろな地方の党組織に選挙応援で派遣され、各地の党員の方々と触れ合いました。

1990年代後半から派遣された先で驚いたのは、日刊の『赤旗』はおろか、一般向けの啓蒙けいもう宣伝紙として位置づけている週刊の『赤旗』日曜版も読んでいない党員が、地方ではけっこう多かったことです。

わずかな年金暮らしでお金がまわらない

この背景には、党員の高齢化がいっそう進んできたことと、不景気や地方の過疎化による生活環境の悪化があるようです。

写真=iStock.com/Toru Kimura
党員の高齢化が赤旗離れをまねいている(※写真はイメージです)

地方に応援で派遣される党専従を「オルグ」といいます。

一般的に「オルグ」とは労働組合や政治団体を組織したり、加入を促す活動、またはその活動をしている人のことを指し、主に左翼的な活動の場合に対して使われます。

ただし、この場合の「オルグ」は語源のオルガナイザー(organizer)に近い、“組織をまとめ上げる係”というくらいの意味です。

私もオルグとして地方に派遣されたとき、党費を納めない党員の訪問とともに、「未購読党員」というジャンルに分類した『赤旗』を読んでいない党員のところを訪ねて、購読を呼びかける活動をさせられたことがあります。

でも、『赤旗』をとっていない党員は、

「もうアルバイト仕事もできず、わずかな年金だけで暮らすようになって、月々数百円をどうひねり出すかという状態なんです。『赤旗』にまでお金がまわらない」
「もう高齢で、新聞活字なんか読むことができない」

などと、こちらとしてはどうにもならない理由を述べて弁明される方がほとんどでした。こんな理由を言われたら、二の句を継げません。

「そうですか。では、できることで協力してくださいね」と言って、辞去するしかありませんでした。

生活に困窮している党員については、党費の減免制度があります。

だから若い人でも党費を減額したり、免除されたりしている人もいます。もちろんこういう場合、日刊で月2000円、日曜版でも月800円の購読料を払えないことが多いことは想像に難くないでしょう。

しかし、これではかつて「鉄の規律」と言われた共産党の組織と活動が裾野から崩れていくことにつながります。