「わからないこと」は分かち合ったほうがいい

私の塾では、テキストや問題集などのわからないところ、「思考が止まってしまった」箇所に、子どもたちの手でピンクの付せんを貼ってもらうようにしています。質問対応をするスタッフが教室をまわっていて、ピンクの付せんを見つけるとすぐに教えてくれる仕組みになっているのです。「わからない」ことを放置してはいけません。「わからない」ことを「わかる」ようにすることが大切です。

須合啓『自分で考えて動ける子の育て方 「早くして!」「勉強しなさい!」「片づけなさい!」はもう言わない』(明日香出版社)

「わからない」ことを、だれかと「分かち合う」ことはもっと大切です。勉強の困りごとはひとりで抱えこまず、「団体戦」で分かち合うのが正解なのです。質問をする癖がつくと、考える力が伸びるサイクルが早まります。勉強に限らず、子どもがわからないことをたずねてきたら、やさしく答えてあげつつ、質問してきたことじたいをほめて、いい習慣が身につくようサポートしましょう。

この機会にもうひとつ別のお話を。私は、「親御さんの子育て上の困りごとはオープンにして」と伝えています。こちらも「団体戦」で臨むのがいいわけですが、「そうは言われても自分の弱みやマイナスを公開することに抵抗がある」という方もいらっしゃると思います。

そういう方は、元気がなかったり、疲れている親御さんを見かけたら、自分からひと声かけるようにしてみてください。相手も相談できる人をうまく見つけられずに困っているかもしれませんし、お互いに話を聞き合える関係性をつくれるかもしれません。あなたの親切が、回りまわってあなたを助けることも必ずあるはずです。

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