死亡リスクを下げる効果も
カフェインはエナジードリンクのほか、コーヒーや紅茶・緑茶等に多く含まれています。これらのカフェイン飲料が、日常生活に欠かせないものとなっている方も多いのではないでしょうか。
健康面では、カフェインが死亡リスク減少に寄与する可能性も示唆されています。
コーヒー摂取と死亡リスクの関連についての調査では、コーヒーを全く飲まない人に比べ、1日3~4杯飲む人は、死亡リスクが24%低くなるという結果が出ました。(国立がん研究センター 多目的コホート研究「コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について」)同様の研究で、緑茶の摂取量が増えるほど死亡リスクが低下する傾向も見られています。(国立がん研究センター 多目的コホート研究「緑茶摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について」)いずれの調査でも、死因別の分析では、特に心疾患、脳血管疾患、及び呼吸器疾患での死亡リスクが有意に低下していました。
これらの結果とカフェインの作用との因果関係は解明されていない点もあり、断言はできませんが、カフェインには血圧降下作用や血管の保護効果、気管支拡張作用などがあることが知られており、一因になったと考えられています。
過剰摂取が引き起こす健康被害
カフェイン摂取により期待できるメリットを挙げましたが、これらはあくまで適量の摂取が前提です。カフェインの過剰摂取による健康被害については、国際機関や各国の保健機関などが注意を促しており、カフェイン摂取量の目安を公表するなど、国際的にも関心が高まっています。
次に、カフェインの過剰摂取が引き起こす症状について見てみましょう。急性中毒症状だけでなく、長期的な過剰摂取が将来の健康に影響を及ぼす可能性にも留意する必要があります。
急性作用:中毒症状で死に至る可能性も
急性作用は、短期間に多量にカフェインを摂取したことにより急激に発症する中毒症状です。冒頭でご紹介した、カフェインの過剰摂取で死亡したケースは急性作用に当たります。
具体的な症状としては、興奮、めまい、心拍数増加、震え、不安等が挙げられます。これらは中枢神経系(脳)が過剰に刺激された場合に現れる症状で、カフェインの、脳を覚醒させる作用が行き過ぎた結果と考えられます。消化器系に作用した場合は、下痢や嘔吐などの症状として現れるケースもあります。