コーヒーや緑茶だけでなく、エナジードリンクなど清涼飲料水にも多く含まれるカフェイン。しかし、産業医の池井佑丞さんは「眠気覚ましや気分転換にもなり、適量であれば健康に良いという調査結果もあるが、摂り過ぎると中毒症状を起こし、最悪の場合は死に至ることもある」という――。
コーヒー
写真=iStock.com/byryo
※写真はイメージです

「カフェイン中毒で死亡」のニュースが話題に

近年、「エナジードリンク」とよばれる清涼飲料水が多く販売されています。エナジードリンクにはカフェインが添加されており、朝の眠気覚ましや仕事や勉強の合間の気分転換などに飲用している方も多いようです。ジュース感覚で手軽に飲用できる一方、注意したいのがカフェインの過剰摂取です。

2015年に「カフェインの過剰摂取が原因で20代男性が死亡した」ことがニュースとなり、死亡した男性がエナジードリンクを常用していたことが報じられました(後に、この男性の胃から多量のカフェイン錠剤が見つかり、エナジードリンクとカフェイン含有薬との併用によるカフェイン中毒で死亡に至った可能性があることがわかりました)。エナジードリンクの摂取のみが死因となったわけではありませんが、それまで、カフェインが原因で死亡する可能性について、あまり知られていなかったこともあり、カフェイン中毒への注目度は高まりました。

リラックス効果や頭痛緩和、パフォーマンス向上効果も

リスクについてご説明する前に、カフェイン摂取で期待できるメリットを確認しておきましょう。

第一に、眠気覚まし効果を期待してカフェインを摂取するケースが多いと思います。カフェインを摂取すると、私たちの体内で何が起こるのでしょうか。

カフェインの摂取で眠気が覚めるのは、カフェインが「アデノシン」という物質と似た構造をしているためです。アデノシンには神経を鎮静させ、脳に対して睡眠を促す作用があります。アデノシンは体内にある「アデノシン受容体」と結合することでその作用が働きます。ですが、体内に入ったカフェインはアデノシンと構造が似ているために、アデノシンの代わりにアデノシン受容体に結合することができるのです。

そしてアデノシンとは反対に、カフェインには興奮性の神経伝達物質を放出する作用があります。アデノシンの働きを阻害し、代わりにカフェインが働くことで脳が覚醒した状態となるわけです。

カフェインには眠気覚まし以外にも、リラックス作用や頭痛の緩和、パフォーマンス向上(頭がさえる、集中力アップ、運動機能アップなど)、代謝アップ、利尿作用(むくみ防止)、脂肪燃焼作用など、期待できる効果は多岐にわたります。