アメリカは日韓の軍事協力を期待している
しかし、米国は、あくまで『現在』を要求しています。日本側ではあまり話題になりませんでしたが、5月、米国はあくまで将来の話としながらも、日韓相互防衛に言及したことがあります。この件、個人的に、韓国だけでなく、日本としても頭が痛い話ではないか、と思ってはおりますが……当時の韓国側の慌てっぷりは、尋常ではありませんでした。
5月27日の京郷新聞によると、米国国防総省は、日米韓だけでなく、日韓の、さらには日韓の相互防衛オプションについて、もっと話を進めていく、と話しました。米国国防省が、「日米韓」だけでなく、「日韓」の間での軍事協力増進についてここまで公言したのも、また異例です。
まだ具体的な話が出ているわけでもないですし、安保という側面でどれだけ影響するのかも分かりません。でも、個人的に、「米国がどれだけ本気かは知らないけど、今の韓国では絶対に無理」としか思えませんでした。まずは記事を引用してみます。
〈米国国防総省は26日(現地時間)、北朝鮮の弾道ミサイル挑発と関連し、韓米日の三国軍事協力だけでなく、韓国と日本の軍事協力増進を希望するという意を明らかにした。
ジョン・カービー米国防総省スポークスマンはこの日の定例ブリーフィングで、最近、北朝鮮が大陸間弾道ミサイルを含めて三発の弾道ミサイルを発射したことに対する対応措置に関する質問に……「ロイド・オースティン国防長官は、韓米日間の協力増進に常に関心を傾けてきた」とし、「私たちはまた、韓日両国の間に相互防衛のためのオプションを探索してみるよう、勧告している」と話した。
彼は引き続き「24日、北朝鮮の弾道ミサイル発射に対応して日本航空自衛隊だけでなく韓国軍とも訓練をした」とし「それは三国間軍事訓練だった」と話した……〉
日米韓協力が絶対にありえない4つの理由
この「日本の防衛力増強」と「日韓相互防衛(軍事協力強化)」において、韓国が米国と足並みを揃えることは絶対にありません。
いくつか理由がありますが、まず第一に、尹政権が公開的に「日本が『正しい』歴史認識を持たないかぎり、日韓はおろか日米韓でも軍事訓練しない」と宣言しています。次に、1997年に決めた韓国政府の公式立場、「例え有事の際でも、日本自衛隊は朝鮮半島に入れない」があります。三つ目に、日本を不信する韓国の世論。最後に四つ目、レーダー照射問題など、まだ何も解決されていない懸案の存在です。