そして第3の柱が、社会人向けの教育事業である。英語や歴史などの基礎教養の学び直しに大学受験講座を活用できるほか、社会人向け英会話やTOEIC対策の講座、社会人大学院の情報などが提供されている。個人に加え、企業のリモート研修などでの利用も広がっている。

授業動画を充実させたうえで料金を引き上げ

2012年のサービス開始以降、リクルートが力を入れて取り組んできたスタサプ事業は、2020年に入って大きく売り上げを拡大する。コロナ禍の影響は無視できないが、それがすべてでもない。この年のスタサプの躍進を分解すると、「料金」と「利用者数」の両方が増加し、それが掛け算されて大きくなった状況が見えてくる。実際に何が起きていたのか、リクルートまなび領域プロダクトマネジメント室室長の池田脩太郎氏に話を聞いた。

スタサプの料金については、2020年2月に大きな改定が行われていた。もちろん、その後の緊急事態宣言へとつながっていくコロナ禍の発生を予測していたわけではない。それまでベーシックコースで月々980円だった料金を、移行措置を経ながら1980円(税抜き)へと引き上げていく改定に踏み切ったのは、提供する授業が質/量ともに、年々充実度を高めていたからである。

2015年ごろには100本程度だったスタサプの講座は、この頃には4万本を超えていた。デジタルトランスフォーメーション(DX)が産業や社会で進むなか、オンライン教育ならではのコストパフォーマンスのよさへの理解も広まっていた。リクルートは、この中長期の事業のステージの変化を踏まえた判断のもとで、スタサプの料金改定に動いた。そのタイミングで、コロナ禍が襲いかかる。

「ニューノーマル」な環境下で注目度が高まる

スタサプの利用者数は、2020年春からのコロナ禍の中で大きく拡大する。料金の引き上げという利用者増に対するマイナス要因があったにもかかわらず、2020年度中のスタサプの有料会員数は、前年度比で97.4パーセント増とほぼ倍になった。コロナ禍による緊急事態宣言を受け、学校の休校が広がる日々のなかで、スタサプは従来通りに自宅学習で利用することが可能だった。当初は1~2カ月で終息するかとも思われていたコロナ禍が、長期化しそうだという理解が広がるなか、「ニューノーマル」な環境下で役立つ教育サービスとして、スタサプは注目度を高めていく。