「体感経験」を増やす簡単な方法
夜寝る前に枕元にスマホを置いて、LINEでやり取りしたり、YouTubeやTikTokを見ていませんか?
電磁波の悪影響を指摘する人もいますが、つねに文字情報や動画によって脳の視覚系や聴覚系、伝達系が刺激され、一部の脳だけが興奮状態が続いているのは、決していい状態ではありません。
「スマホ断ち」という言葉を耳にしませんか?
寝る前は手元に端末を置かないなど、1日のうちで数時間はスマホやタブレットから距離を置くことをお勧めします。
同時に、「体験知識」を増やすことを考えましょう。散歩や公園などの広い野外を散策したり、密にならない状況で人に会うなど、外に出て体感経験を意識的に増やすことが必要です。
新型コロナが落ち着いたなら、たとえば地域のさまざまなサークル活動や趣味の集まりなどに参加し、新しい人間関係を築いてみるのです。
新しい環境と人間関係は脳には大変刺激的で、そこでのコミュニケーションやさまざまな実体験が貴重な体感経験になるはずです。
自己肯定感が低い子どもが増えている原因
自己肯定感の低い人は体を動かすことが苦手な人が多いようです。
逆にスポーツなどでつねに体を動かしている人は、自己肯定感が明らかに高い傾向があります。東京成徳大学の深谷和子教授らの調査(「運動の苦手な子」2000年度VOL.20-1/ベネッセ教育総合研究所)によれば、運動が得意な子どもは自分自身をポジティブに評価する傾向があることがわかりました。
運動が得意だとする子どもと、苦手だとする子どもにそれぞれ15項目の質問をしたそうです。すると、「自分は頑張ることができる」という項目で、運動が得意な子どもの61.3%が「とてもそうだ」と答えたのに対し、苦手な子どもは17.0%だったそうです。
逆に「気が弱い」とする項目では、得意な子どもの5.4%、苦手な子どもの22.1%が「とてもそうだ」と答えたという結果を報告しています。
ちなみに、スポーツ庁による令和3年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果では、「体力合計点については、令和元年度に比べ、小中男女ともに低下した」と報告されています。
体力低下の原因として、①運動時間の減少、②学習以外のスクリーンタイムの増加、③肥満である児童生徒の増加を挙げ、さらに新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う学校の活動が制限されたことが指摘されています。