「相手の欠点ではなく、よいところを見るようにしなさい」

ちなみに、子どもの頃の親からの教育が、これらの自己基準を作る上で大きな影響を与えることがわかっています。

加藤俊徳『脳の名医が教える すごい自己肯定感』(クロスメディア・パブリッシング)
加藤俊徳『脳の名医が教える すごい自己肯定感』(クロスメディア・パブリッシング)

私自身のことを言うなら、幼少の頃、母親は私の音読困難症状や成績不振に対して、否定的なことは一切言いませんでした。

ただし、「自分だけの得や利益を考えてはいけない」ということと、「相手の欠点ではなく、よいところを見るようにしなさい」ということだけは、口酸っぱく言われて育ちました。

「自分だけのことを考えてはいけない」という教えは、後年人間関係や仕事をする上で、私自身の大きな行動基準となりました。それを守ることが、自己肯定感につながったと思います。

また、「欠点ではなく、よいところが必ずある」という教えは、人に対して寛容になれただけでなく、自分が自分を評価するときにとても大きな影響を与えたと思います。

人にできて自分ができないことが、じつは自分だけの特異な能力であり個性である。他人に対してよいところを見るという教えは、じつは自分自身をそのように見ることができるための教えでもあったのです。

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