たった半年間でどのように体を超高校級に鍛えるのか

では、中学生にどのようなトレーニングをしているのか。

トレーニングのメニュー自体は、バランスボール、メデシンボール、ロープやダンベル、などを使用したふつうのジムだ。ただ、「約半年間のプログラムをトレーナーがついてきちんと教えるというところに雲泥の差が出る」と徳丸さんは言う。6人の受講生に対して1人のトレーナーが専任でつき、体型など個人差が大きい受講生それぞれにプログラムを組む。入会直後は、例えば、中学時代の打撃・投球フォームの癖などを1、2カ月かけて直すところから始め、徐々に負荷を加えて鍛えるメニューへと進んでいく。

撮影=清水岳志
トレーニングの様子

メンタルセミナーがセットになっているのも特徴で、月に1回のオンラインの座学が好評だそうだ。父兄にもトレーニングの意義や、子供たちの体の成長・変化を説明するのだという。この4月からは中1、2年のクラスもスタートさせた。

取材したのは2022年3月下旬。中3生の最後のセッション(トレーニング)が行われていた。ジムの強みは、10数人いるトレーナーたちのモチベーションの高さだ。強豪校に限らず、関わる子供達の能力を最大限に引き出し、高校に送り出すことにやりがいを感じている。徳丸さんは言う。

「子供たちが好きで何とか育っていってほしい、という熱い人ばかり。ジュニアの指導には夢があり、育てば未来の国力にもつながる。そんなことを思いながらやってくれています」

撮影=清水岳志
トレーニングの様子

このジムの特徴はトレーナーがフリーランスでそれぞれ他に教える場所を持っている点だ。例えば、トレーナーAさんは、大学・小学校のサッカーチーム、整骨院などで仕事をしている。トレーナーBさんは自身で法人を経営しながらアスリートワークスでもセッションを持ち、同時に府内の強豪校、有名私立高校と契約し指導している。ここはフリーのトレーナー集団というわけだ。徳丸さんはトレーナー支援をする法人も立ち上げてネットワークを作っていきたいという。