文亨進は熱烈なトランプ支持者としても知られている。同メディアのインタビューで彼は「神はトランプを通して世界を救おうとしている」と語り、「ディープステート(闇の組織)と戦う愛国者」を自称している。バイデン氏が当選した2020年大統領選に抗議し、トランプ氏が呼びかけたと疑われる2021年1月6日の議会襲撃にも参加した。トランプ氏の影の黒幕とされたスティーブ・バノン元補佐官をイベントに招待するなど、政界とのつながりが深い。

トランプ氏が再出馬すれば強い支持基盤に?

ヴァイス・ニュースは、サンクチュアリ教会の集会には、アメリカライフル協会の関係者の姿もあったと報じている。

銃を所持する権利は、保守共和党が打ち出す重要な政治案件でもある。教会が影響力ほしさに保守政治に食い込むのは自然な流れといえる。兄の文國進が(ジャスティン・ムーン)がペンシルバニア州で銃製造会社「Kahr Arms(カー・アームズ)」を経営しているのも、偶然ではないだろう。

また彼らは、テキサスやテネシー州に広大な土地と建物を購入している。その目的の一つは極右の若手政治家を育て、地方政治に送り込むことだと文亨進自身が語っている。

極右の考えを打ち出すサンクチュアリ教会は、アメリカの政治的分断の一端でもある。今は小さな組織だが、もしトランプ氏が再出馬することになれば、表舞台に踊り出てくる可能性も少なくない。

こうしてみると、1970〜80年代にはニクソン、ブッシュ、そして現代のトランプまで、統一教会は、それぞれの時代のアメリカ保守政治と強い関係を結んできたことが分かる。その動きが日本の政治とどうつながっているのか、この先炙り出される日は来るのだろうか。

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