日本の信者から巨額の寄付が集められている
さらに興味深い報道をしているのはワシントン・ポストだ。
記事では、統一教会と関連団体は、世界のリーダーやセレブリティ、高名な聖職者に対し、高額の謝礼を支払って講演を依頼している。統一教会の正当性を世に知らしめるのが目的としている。
前出のH.W.ブッシュ元大統領以外にも、フォード元大統領、俳優のビル・コスビー、旧ソビエトのゴルバチョフ元大統領などの名前も挙がっている。
また同紙は、H.W.ブッシュ元大統領の東京講演のタイミングについても指摘している。当時日本では、教会の関連ビジネスを担う商社「ハッピーワールド」に寄付を強要されたとして被害者らが集団訴訟を起こし、福岡地裁が同社に数千万円単位の損害賠償命令を出したばかりだった。
そこで、H.W.ブッシュ元大統領は当時としては破格の謝礼8万ドルを、自分の懐には入れずチャリティーに寄付したという。
さらに記事では、私たち日本人にとって聞き捨てならない事実が暴露されている。教会が60年以上にわたり集めてきたこうした資金の多くは、日本の信者から頼ったという専門家の指摘だ。その割合は70%にのぼるという。教会の元幹部によれば、実に8億ドルものお金が、1970年代から80年代の10年間に、日本からアメリカに流れたとしている。
日本の信者が寄付した多額のお金がアメリカに流れ、政治家の財布に収まっただけでなく、教会の地位を高めるのに貢献していたことになる。
文氏の7男は「銃を崇拝する教会」を設立
アメリカの報道でもう1つの焦点となっているのは、統一教会の分派であるサンクチュアリ教会だ。文鮮明氏亡き後、韓鶴子夫人との軋轢の末に分派したと伝えられている。
サンクチュアリ教会は「Rod of Iron Ministries」とも呼ばれ、文氏の7番目の息子の文亨進(ショーン・ムーン)が率いる教団だ。ショーンはアメリカで生まれた韓国系アメリカ人で、本拠地はペンシルバニア州にある。つまりれっきとしたアメリカの宗教団体なのだ。
若者に支持されるマルチメディアのヴァイス・ニュースの記事が詳しい。
サンクチュアリ教会のアメリカの信者は数百人で、まだまだ弱小だ。しかし衝撃的なのは、教義で銃を崇拝していることだ。彼らが信奉するのはAR-15という銃で、無差別銃撃でよく使われる非常に殺傷力が高い武器でもある。説教では「AR-15はわれわれを悪魔から守ってくれる。礼拝には欠かせないものだ」と語られるという。