「家庭内野党」を評価する報道から、森友学園問題への追及へ

7年8カ月にもわたる長期政権。しかも2017年からは昭恵さん自身が報道対象になる場面が増大した。森友学園問題だ。朝日新聞などは、実に社説で40回にもわたって「昭恵」さんの名前に言及した。

当初、昭恵さんがファーストレディでありながら、夫とは違う脱原発政策を主張した際には「家庭内野党」などと持ち上げていたのが朝日新聞系の『AERA』などだった。その頃はむしろ保守系の安倍支持者側が昭恵さんの姿勢を批判していたほどだった。

それでも、安倍元総理が妻である昭恵さんに「家庭内野党、なんてみっともない。俺のメンツをつぶす気か」とか、「俺の政権をどうしてくれるんだ」などと食って掛かったことは、どうもなさそうである。

むしろ、国会で昭恵さんの名前を出されたことに怒る安倍元総理の姿が印象的だった。2017年、森友学園問題に関して、学園側が昭恵さんを名誉校長に据えていたことに対する質問が飛んだ。それに対し安倍総理が「もし私や妻が関与していたら、間違いなく総理も議員もやめる」と答えたあの件だ。

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これには批判的な声もあった。もちろん、政治家として、国会答弁に関する評価は問われてしかるべきだと思うが、人間的な感情の発露、妻を思う姿勢が表れたものとして評価する一般の声があるのも確かだった。