砂漠化の原因を「森林伐採」では変化を追えていない

変化前・変化理由・変化後フォーマット

何かを理解するために一番必要なのは、「変化前・変化理由・変化後」の3つを考えることです。例えば「なぜここに新しいお店ができたんだろう?」と聞かれて、「大工さんが頑張ったからだよ!」と答えられたら「それが聞きたかったわけじゃないんだよなぁ」ってなりますよね。

「元々あったお店が老朽化して閉じてしまったんだけど、立地自体はとても良いから、新しいオーナーさんが若者向けの商品も取り入れてお店をやることにしたらしいよ」のように、そのお店の前の状態と、そのお店が変わった要因と、変わった後、この3つを答えることで理解してもらえるわけです。これを意識するだけで、物事の理由が格段に説明しやすくなります。

このように変化前・変化理由・変化後で考えるのがこちらのフレームワークです。

出典=『東大生の考え型』より

何かを理解するとき、変化に着目するととてもわかりやすくなる場合があります。「売り上げが落ちている理由を分析したい」のであれば、「前は好調だった売り上げが、なんらかの要因で下がってしまっている」という事象だと解釈できます。そうすれば、「じゃあどんな要因なんだろうか?」と考えやすくなります。

逆に、変化に着目しなければ見落としてしまうこともあります。例えば「近年、なぜ世界では砂漠化が起こっているのか」と聞かれて、「人間が過度に森林や草原を伐採しているから」と答えるのは砂漠化のことがわかっていないと言えます。なぜなら、前から人間は森林や草原を伐採していたからです。それがなぜ近年起こっているのかがわからなければ表面しか理解していないことになります。「世界の人口が昔より増えて、食糧不足に喘ぐ人が増えたから伐採が増えている」と、変化を意図した答えを作る必要があるのです。

写真=iStock.com/luoman
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変化の理由は複数考えた方が理想的

変化前と変化後を考え、その間にある原因を考える。この3段階で物事を解釈する癖をつけましょう。

変化理由は1つで満足せずに、複数考えた方が理想的です。1つの理由だけで変化はしません。複数の理由が重なり合って変化をもたらします。だから、2つ以上の理由をしっかり探すような習慣をつければいいと思います。またそのときに、「背景」と「原因」を分けて考えるのも重要でしょう。それは次のフレームワークでご紹介しています。