シャッター商店街が増えた背景を「買い物客の減少」では浅い

背景/原因フォーマット

ある物事の理解を深めるためには、背景と原因の両方を理解する必要があります。

「なぜ最近、駅前の商店街に活気がなくて、シャッターを閉めたままの商店街が増えているのか」という質問に対して、「多くの人が商店街で買い物をしなくなったから」というのは正しい回答だと言えます。ですが、不十分ですよね。なぜ買い物しなくなったのかの原因も知りたいと思いませんか?

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背景には「車で移動して一括で買い物ができる大型ショッピングモールが増えたから」という原因も、「地方部で駅を利用する人が減って車を利用する人が増えたから」という原因もあります。背景まで理解できなければ真に理解したことにはならないのです。

原因だけでなくその背景にあるものまで考えるためのフォーマットがこちらになります。

出典=『東大生の考え型』より

物事の裏側を理解しなければ、本当の意味で理解したことにはなりません。かの豊臣秀吉公は刀狩りの際に「大仏に使うための金属として使うから刀や鉄製の農具を献上するように」と農民に言い、事実として金属は大仏の建立に使われました。しかし、それは建前の理由。農民が反乱などを起こせないようにするために刀や鉄製農具を奪いたかったわけです。

こう考えると背景にあるのは、農民の一揆などが多く発生していたという事情だと言えます。1つの要因で満足していると真の答えにはたどり着けません。いろんな目線で見る必要があります。だから、「なぜ」という問いを深掘りしてみるようにしましょう。

間接的、背景的な事象を考える

僕らはつい、事象を直接の原因で考えがちですが、社会的な背景や裏側の事情などもあるはずです。売り上げが少ないからといって商品の単価を高くすればいいってものではありません。商品そのものを変えたりとか、お店の場所を変えたりとか、もっと間接的・背景的なところから変えていくことが必要なこともある、ということですね。

背景とは、その事象を招いている根本的・本質的な原因のことです。それを知るために、「なぜ」を繰り返していきましょう。「なぜお客が減ったのか」「なぜ車移動が増えたのか」、どんどんなぜを繰り返していけば、どんどん本質的な原因に近づけるはずです。