■1つの問いから別の問いを導き出す
新しい問いフォーマット
問いを考えていくと、「それって実はこういう問いだったんじゃないか?」と考えることができる場合があります。
例えば、「なぜ若者はSNSにのめり込むようになったのか?」という問いを考えていたら、いろいろ分解して考えていった先で「なぜ若者の人間関係はオフラインからオンラインの方に移行しているのか?」という問いだったと気づく、なんてこともあるのです。
SNSのことを考えたらわからないけれど、人間関係の話だったら考えやすいかもしれません。またその逆の場合もあるでしょう。
1つの問いで終わってしまうよりも複数の問いを移動していく方が答えを導きやすいわけです。そして、頭の良い人は、問いから問いに移動するのが上手いから、問題解決が上手いのです。
1つの問いを深掘りしてもいいし、分解した問いをつなげてもいいと思います。例えば「2010年代にディズニーランドの観光客が増えたのはなぜか」という問いがあったときに、観光客を分解して考えた結果、中国や台湾の観光客が多いことがわかったとします。ここでただ「なぜ、中国や台湾の観光客がディズニーランドに多いのか?」と考えてもいいのですが、これを「2010年代」とつなげて「2010年代になぜ、中国や台湾の観光客が増えたのか?」という問いに形を変えてもいいと思います。
頭の良い人は問いから問いへの移動がうまい
問いに答えはありますが、問いの作り方に答えはありません。いろいろな質問があっていいですし、いろいろなアプローチがあっていいと思います。何度も言いますが、頭の良い人は問いから問いへの移動が上手です。要するにいろいろな問いを考えることができるわけです。みなさんも、いろいろな新しい問いを作って、質問に対する回答を考えていきましょう。
身の回りの些細なことでも問いにするようにしましょう。「なぜ、カボチャはニュージーランドから輸入されているのか」「牛乳はなぜ、北海道じゃなくて都心の近くで作られている場合が多いのか」とか……。実はこういう身の回りの問いというのが、東大の入試問題で出題されています。いろいろな問いを考えることによって思考が整理されていく、これぞまさに東大流だということですね。