株価指数だけでは分かりづらい変化をつかむ
もっとも、ここに挙げた条件をすべて覚える必要はありません。私たち個人投資家は、eワラントジャーナルが運営するサイト「本日のトレードインディケーター」から暴落アラート点灯をいつでも確認できます。
私の場合は、株式市場が好調続きで、「今、自分は調子に乗っているかも」「ちょっといつもより大きく資金を動かしすぎているな」と感じたときに、緊張感を取り戻すためにチェックしています。まるでファンタジーゲームの賢者が使う究極魔法のような名前ですが、極端に恐れる必要もありません。
わかりやすくいえば、ヒンデンブルグオーメンとは、相場の方向感の行きすぎを数値化し、投資家心理や市場全体の先行きの過熱感を加えたものです。株価指数だけを見るとわかりづらい投資家たちの微妙な心の変化に、気づかせてくれる指数ともいえます。人の心は、普段の数値では見えないですからね。
アラートが点灯したらどうするか
もちろん、市場全体が過熱しているときや、個人投資家が多く買っているときに発生するアラートのため、「確率的に考えれば、人びとが過熱して下落に転じやすいタイミングに点灯するのだから、当たるのは当たり前だ」と考える人もいます。もちろん、私もその意見に賛成です。
ただ、すでにお伝えした通り、自分を戒める存在というのは、株式投資の世界では大切です。調子に乗りすぎても、誰も自分を叱ってはくれないわけです。アラートが点灯するから下落するのか、行きすぎた熱狂がそうさせるのか。卵が先か鶏が先かの論争になってしまいますが、1つの指数としては参考にしてもよいでしょう。
なお、ヒンデンブルグオーメン点灯時には次のような投資戦略をとるのが良いといわれています。ぜひ参考にしてみてください。
(戦略1)大きく利益が出た銘柄は全部、あるいは半数を手仕舞う
(戦略2)現金保有率を高めて、急落や暴落を待つ
(戦略3)調整が起こった段階で、狙った銘柄を少しずつ購入する