同様に美しい振る舞いや所作にも雑音はありません。

たとえばオリンピックに出るようなトップアスリートの身体パフォーマンスは美しいものですが、それは運動力学的に理にかなった無駄のない動きをしているからです。そこには余計な力みなどの雑音がいっさいありません。

粗雑なふるまいを顧みる

ひるがえって、粗雑な振る舞いや所作には雑音が満ちています。

会社で部下を理不尽に怒ってばかりいる上司、電車のなかでお化粧をしている女性、平気でゴミを路上に捨てる若者、スーパーの店員に些細ささいなことでクレームをつける老人、ネットで誰かを誹謗ひぼう中傷する人……どれもこれも美しくありません。

写真撮影=永井浩
建巧寺にて

粗雑な振る舞いをしてしまうのは、いうまでもなく心が整っていないからです。

自分の振る舞いや所作はどうなんだろうと、気をつけてよく見てみたとき、「なっていないな」と感じることがあれば、ふだんの振る舞いや所作を美しくすることを心がけましょう。

心と振る舞いは表裏一体

必ずしも「心を整えることからしなくては」などと考える必要はありません。

心と振る舞いは相互に密接な影響を与えますから、振る舞いや所作を整えればおのずと心も整ってくるものです。

ふだんの振る舞いや所作が美しいか、美しくないか。まずはそこへ意識を向けることから始めてみてください。

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