眠っている「宝」の存在に気づく

良寛さんに限らず、禅僧は孤独を好みます。百丈ひゃくじょう禅師という高僧は、この世でいちばんありがたいことは何ですか、と問われたとき、今いるこの山(寺のこと)に一人坐っていることだと答えたそうです。

孤独は恐れるものではありません。人生を深く楽しむ時間をプレゼントしてくれるのが孤独なのです。

孤独にはまだ知らない宝がたくさん眠っている。そう思って孤独と向き合ってみませんか。

雑な振る舞いをしない

禅の世界では、立ち居振る舞いや所作を整えることも重要な修行の1つです。そこに自らの心が素直に映し出されると考えるからです。

つまり、粗雑な心をもって振る舞えば粗雑な振る舞いになり、乱れた心で所作を行えば乱れた所作になるのです。

禅の修行における大きな目的は心を正しく整えることです。心を整えれば振る舞いや所作は整ったものになり、また反対に振る舞いや所作を整えることは心を整えることになります。

心が整う「美しい所作」のコツ

それでは整った立ち居振る舞いや所作とはどのようなものでしょうか。その基準は「美しさ」にあります。整った振る舞いや所作には、流れるような美しさが感じられるものです。

心が整っているとき、心は澄み切っていて雑音がありません。迷いや不安、煩悩といったものから雑音は生じます。