米国市場はさまざまなリスクから復活してきた

過去、米国株式市場は二度の世界大戦を含むさまざまな戦争や紛争、テロ、天災、経済危機などに何度も打ち勝ってきました。市場の混乱期や株価が下落した際には、リスクや悲観的な面ばかりが目に入るものです。しかし、リスクを引き受けることで株式投資家が期待できる、リターン、メリットをもう一度思い出すことが大切です。

実際、FOMCやインフレへの懸念、ロシアの侵攻を受けても、過去1年間のS&P500に連動するETF(VOO)のトータルリターンは+9.6%(ドルベース)と十分なプラスとなっています。

S&P500指数は2021年の5〜6月の水準に戻った程度で、十数%の下げにとどまっており、大暴落とか市場崩壊といったレベルとはほど遠い状態にあります。それ以降の数カ月間、投資をした分に関しては多少損が生じているかもしれませんが、長期的に投資している方にとってはまだまだ十分な含み益があると思います。

過去5年のチャートを見ても、この程度の株式市場の下落は大したことがないことがわかります。

出典=trading view

S&P500に投資をしていれば10%程度の下落はよくあることです。2018年や2020年にもありました。こういった下落は数年に一度は起こるものです。今年のS&500の最大ドローダウンは約13%でしたが、1928年以降のS&P500の年間最大ドローダウンの中央値-13%と一致しています。下落幅を見ても大騒ぎするようなものではなく、普通の範囲と言えるでしょう。

長期投資家視点でいえば、株価の下落によってバリエーションがある程度改善された今、もしくは、パニックにより株価のリスクプレミアムが上昇するかもしれないこれから投資する方が、金融緩和による割高な中で投資するよりも長期的なリターンは良くなるかもしれません。

今資産形成中の方やこれから投資を始める方にとって、株価の下落や市場の混乱はチャンスでもあるわけです。

関連記事
株で資産3.6億円を築いたサラリーマンが教える「儲かる決算書」を3分で見抜く5カ条
ウクライナ・ショックで投資家が「絶対やってはいけないこと」と「狙い目の銘柄」
「本当に怖いのは株価暴落ではない」投資を嫌がる人が知らない"最大のリスク"
「株価はまだまだ下がる」ウクライナ危機後のさらなる暴落を示唆している"不気味なデータ"
「日本は電力すら賄えなくなる」未曾有の物価上昇に備えて岸田政権が今すぐやるべきこと