投資をしない人の中には、「株価の暴落が怖い」という人も少なくない。ファイナンシャルプランナーの山口京子さんは「放っておいても世界経済は成長していく。時間を空費していつまでも投資を先延ばしにするのが最大のリスクだ」という――。

※本稿は、山口京子『貯金ゼロから始める「新へそくり生活」のススメ』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

頭を抱えて座り込む男性
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金融商品の値動きだけを極端に恐れる必要はない

定期預金にお金を積み上げていくことでお金を貯めることはできますが、それだけでは老後のお金の不安を解消することはできません。今の時代、お金は貯めるだけでなく、増やしていくことが必要です。もっと具体的に言えば、収入や蓄えが少ない人ほど、早く投資をスタートさせることが大事です。なぜならへそくりを増やすには、それなりに時間がかかるからです。

投資をすると、貯金だけしているよりお金が増えそうだということは何となく理解できるけれど、それでも一歩を踏み出せずにいる多くの慎重派の方々の気持ちは、私にもよくわかります。投資に前向きになれない理由は、こんなところにあるのではないでしょうか。

「値動きがあるところが怖い」
「値下がりはイヤ」
「何を買ったらいいのかわからない」
「働かずしてもうけるなんてバチがあたりそう」
「忙しいから毎日スマホやパソコンばかり見ていられない」

順番に説明していきましょう。

例えば、スーパーで買い物をするとき、商品の値段は毎日同じでしょうか。家電量販店で、電化製品の値段はいつも同じでしょうか。スマホの本体やプランの料金も、ずっと同じではありませんよね。

金融商品だけではなく、私たちの身の回りの物の多くは日々値動きしています。欲しかったものがバーゲンで半額になっていたら、喜んで即買いするけれど、金融商品の値下がりだけは絶対NG。バブル崩壊以降、「株には手を出してはいけない」と、まるで家訓のように言い聞かされてきたご家庭も多いので、反射的に暴落をイメージしてしまうのかもしれません。