始めるのが早ければ早いほどへそくりは楽になる

そうはいっても、長い人生何があるかわかりません。毎月3万円の積み立て投資を続けていこうと思っていても、始めてから10年後、事情が変わって、3万円を捻出できない事態が起きないとも限りません。

そんな時はあきらめずに、10年間積み立てた元本360万円を、「新へそくり三分法」のお約束にのっとって、20年間、そのまま見ないで隠しておいてください。5%で運用できた場合、へそくりは、30年後に1261万円になります(図表2)。使ってしまえば、あっという間になくなりますが、3.5倍に増える可能性があるとわかっていれば、20年間隠しておけるでしょう。

【図表2】へそくりは早く仕込めば途中で休んでも大丈夫!

一方、ついつい先延ばしにして、へそくりを仕込むのが10年遅くなったとしましょう。毎月3万円を20年間積み立てると、元本は720万円です。そして、同じく5%で運用できたとすると、20年後のへそくりの金額は、1233万円になります。たった10年始めるのが遅くなっただけで、倍の元本を積み立てても、10年早く始めた人に負けてしまうのです。

10年早く頑張って積み立て投資をし、その後20年間放っておくのと、20年頑張って積み立て投資をするのとでは、10年頑張った後に放置する方がずっと楽にできるはずです。へそくりの仕込みは、早ければ早いほどいいのです。

へそくりは、お金のある時にしかできません。また、この先の人生、いつ、どんなことが起こるかわかりません。できる時に、できる分だけやっておくことが肝心です。状況が変わって難しくなったら、無理せずお休みすればいいのです。

世界が成長し続ける限り株価は戻る

投資で「絶対」という言葉は使えませんが、私は「絶対」といえることが1つあることに気がつきました。それは、積み立てたりんごの数は絶対に減らないということです。りんごの価格は勝手に上がったり下がったりしますが、積み立て投資を続けていけば、買ったりんごの数は確実に増え続けます。

でも、下がり続けたらどうなるのか、りんごは爆買いできるけれど、価格が1度も戻らなくても大丈夫か、と心配される方も多いので、ご説明いたします。

冒頭で、私は確認しました。「あなたは世界経済の成長を信じられますか」と。「信じられまーす」とニコニコ答えた方は、○○ショックで一時的に株価が下がることがあったとしても、いつかは経済が回復し、株価は戻るという予想を立てているということです。

それなら、りんごの価格が下がり、爆買いがしばらく続いた後、りんごの価格が上がるのを待っていればいいということになります。待っている間に、ライフイベントが来ると大きな出費が必要となるので、「新へそくり三分法」では、5年以内に使うお金は定期預金で着実に貯めて、投資してはいけないお約束でしたね。「いざという時のためのお金」も貯金しておいて、投資には回さないお約束でした。

「新へそくり三分法」では、1社の株を買ったり売ったりはしません。いくら積み立て投資でも、1社の株を買っていた場合、その会社が倒産したら、りんごは瞬間蒸発します。だから、世界中の株を買っておくことが大事なのです。世界中の会社が全て倒産することは、考えにくいからです。