積み立て投資では「値動き」だけでなく「数」も重要

あなたが毎月1万円でりんごを買ったように、定期的に一定の金額で金融商品を買う投資法を「積み立て投資」といいます。これに対して、1度のタイミングで金融商品を買う投資法を「一括投資」といいます。「投資」という言葉を聞いて、日本人の9割がイメージするのは、安いところで買って、高いところで売り、利ザヤを稼ぐ、この一括投資のことで、積み立て投資は、これまであまり注目されてきませんでした。

一括投資と積み立て投資では、同じ3万円を投資しても、投資の結果が違ってきます。一括投資の場合は、りんごの数は購入時に決まり、投資の結果は売却時のりんごの値段で決まります。

りんごが1個1万円の時に3万円分(3個)買って、5000円の時に売ったら、当然ながら投資の結果も半分の1万5000円になります。つまり金融商品の値段と投資の結果は常に一致します。だから値下がりを怖いと感じ、右肩下がりのチャートは大嫌いなのです。りんごの値段と投資の結果は運命共同体というわけです。

一方、積み立て投資の場合、投資の結果はりんごの値段だけでは決まりません。りんごの数が増えているかどうかも重要です。半額になっても倍もうかったのは、2カ月目の下落のところで、りんごを爆買いできたから。りんごの値段が下がっても、りんごの数が増えれば、資産が増える可能性があるのです。つまり、積み立て投資は、りんごの数を積み立てていく投資法なのです。

日本人の多くは、いいえ世界中の投資家の多くも、りんごの値動きばかり気にしていて、りんごの数を増やすことにあまり関心がありません。しかし、積み立て投資で結果を出すためには、りんごの値段と数の両方が重要です。

買い時を逃さないためにはいち早く始める

それでは、りんごの数を増やすにはどうしたらいいでしょうか。そのためにはやるべきことが2つあります。1つは、りんごを爆買いすること。もう1つは、そのために1日でも早く積み立て投資を始めることです。

私たちは、りんごの価格をコントロールすることはできないので、いつ爆買いのチャンスが来てもいいように、積み立て投資を始めておくことが何より大事です。1カ月早く始めた人の方が、翌月から始めた人より確実にりんごの数は多くなります。早く始めた人ほど、時間を味方につけて、たくさんのりんごを貯めることができるからです。