世界経済の成長を信じられる人は投資向き

「新へそくり三分法」では、世界中の株への投資をお勧めしています。そこで、私はお客様に最初にこうお尋ねします。

「あなたは、世界経済の成長を信じられますか」

世界経済の成長を信じられない方は、投資をするべきではありません。世界の経済は今後ジリ貧で縮小し続けるということは、株価はじりじりと下がり続け、資産は目減りしてしまうからです。しかし、世界経済は成長し、さらに便利な世の中になっていくと考える方は投資をするべきです。

私たちのへそくりを世界中に送り出すことで、みんなが「いいね!」と思った企業の株が値上がりすると、私たちのへそくりが増えるだけではなく、企業は倒産したり、他の企業に買収されるリスクが減るので、安心して優秀な人材を雇用し、設備投資をして、さらにみんなが「いいね!」という新しいサービスや商品を生み出すことができます。

つまり、投資するということは、安心、安全、便利な世の中をつくってくれる企業にお金を預けること。企業は投資家から集めたお金で、新しいサービスをつくりだし、もっと便利な製品をつくってくれます。私たちが投資するお金は、ギャンブルに使われるわけではありません。安心、安全、便利な世の中をつくることに役立っているということです。

忙しいので、投資先を検討したり、売買のタイミングを見計らったりすることが難しいという方のために、「新へそくり三分法」では、世界中の株に分散投資できる世界株の投資信託の積み立て投資をお勧めしています。

「毎月買うなんて、そんな面倒くさいこと、やっていられない」そんな悲鳴も聞こえてきそうですが、「投資信託の積み立て投資」は、スマホやパソコンで一度ポチッとすれば、あとは画面を見続けなくても、毎月、自動的に積み立ててくれるのです。

値段が半額になっても利益が出る仕組み

こんな値動きをした金融商品があったとします(図表1)。スタート時は1万円でしたが、下がったり上がったりしながら、現在はスタート時点の半分の5000円になりました。この商品、買いたいと思いますか。

【図表1】この商品、あなたは買いますか?

ここからが「新へそくり三分法」の真骨頂、積み立て投資の大事なところです。全国のセミナーでお話ししても、わかりやすいと好評をいただいています。難しい専門用語は使わずに、りんごで説明します。

あなたは、毎月1万円のおこづかいでりんごを買います。プレミアムりんごですから、ちょっとお高めです。1カ月目、りんごの値段は1万円でした。1万円のおこづかいで、1万円のりんごは何個買えますか。

そう、1個です。

2カ月目、りんごは1000円でした。1万円のおこづかいで何個買えますか。

そう、10個ですね。

3カ月目、りんごは1万円でした。1万円のおこづかいで何個買えますか。

そう、1個ですね。

3カ月であなたの家の冷蔵庫に入っているりんごの数は何個になりましたか。

12個。正解です。

そのりんごを見た山口さんが、「まあ、素敵なプレミアムりんご。1個5000円で私に全部売ってちょうだい」と言いました。1個5000円で12個のりんごを売ると、あなたは山口さんからいくらもらえますか。

正解は6万円です。あなたがりんごを買う時に使ったおこづかいの3万円が6万円になり、3万円の利益が出たことになります。図1は、このりんごの値動きのチャートです。

天秤にかけられているコインとりんご
写真=iStock.com/Alex Potemkin
※写真はイメージです