日本中を飛び回り、異なる業種の仕事を同時並行でやる

着眼点② 自由な発想は「未経験」から生まれる

ビジネスを始めようとする時に、多くの人は自分が経験したことのある業種を選ぶことが多いように思います。

でも、それでは自分の持っている知識を切り売りするだけですから、あまり発展的なことは望めない気がします。

僕の場合は、自分がやったことのない業種であっても、何のためらいもなく打って出ます。固定観念がない分だけ、自由に発想を飛ばすことができますから、お金だけでなく、新たな経験も一緒に手に入れることができます。

その新たな経験が視野を広げてくれるので、さらに次のビジネスのヒントをもたらしてくれるのです。

現在、僕は違うジャンルの複数のビジネスを同時並行で進めています。極端にいえば、毎日、異なる業種の仕事を、日本中を飛び回りながらやっているという感じです。

そんな日常を繰り返していると、自分では想像もしなかったアイデアが、ある日突然、降って来ることがあります。それは、違うジャンルのビジネスを同時並行でやっていることの「副産物」なのかもしれません。

僕が初めてのビジネスを手掛けた時のエピソードを紹介します。4年前の2018年4月のことですが、都内にボードゲーム店をオープンしたのです。

ボードゲームについてはほとんど何も知りませんから、それを遊べる店にも行ったことがありません。この頃は、不動産投資や山投資を始めていて、全国を慌ただしく飛び回っている時期でした。

きっかけは、美術大学に通う男子大学生の知り合いがいて、卒業まで半年というのに、進路が決まっていなかったことです。何が好きなのかと聞いたら、「ボードゲームです」と言うので、「よし、じゃぁ、ボードゲーム店を作ろうか」となったのです。

ボードゲームとは、卓上でボード(盤)やコマ、カードなどを使って遊ぶゲームのことです。代表的なのは「モノポリー」や「バックギャモン」などですが、その種類は世界各国に無数にあって、将棋や囲碁、チェスなどもボードゲームの一種です。

相場よりメチャクチャ安いボードゲーム店で月商100万円

すぐに空いている店舗を探して来て、内装などはすべて自分たちでやりました。初期投資は100万円ほどです。

結論から先にお伝えすると、月商はすぐに100万円に達しました。そこから、家賃15万円、スタッフの給料30万円、缶ジュース代10万円を引いて、毎月40万円の利益が出ました。知識ゼロからのスタートであっても、工夫次第で利益を生み出すことはできるのです。

JRの主要駅から徒歩2分という好立地や、近くに複数の大学があったことも勝因のひとつですが、このボードゲーム店が儲かった一番の理由は、料金設定を相場よりもメチャクチャ安くしたことにあります。

普通は「1時間300円」とか「1時間500円+ワンドリンク」みたいな感じですけど、僕は時間制ではなく、「半日+ドリンク飲み放題1000円」と「1日+ドリンク飲み放題2000円」に設定しました。

営業は「昼12時から夕方6時まで」と、「夕方6時から夜12時まで」で区切っていましたから、昼食を持ち込んで食べて、缶ジュースを好きなだけ飲んで、6時間キッチリと遊んで、料金はジャスト1000円という安さです。

今どきの大学生が割高になる時間制で遊ぶはずがないと考えたこともありますが、店内に水道設備がなかったので、苦肉の策として缶ジュースを置いて飲み放題にしたのです。その結果、お客さんは缶ジュースを10本も飲めば簡単に元が取れるという、わかりやすい設定になりました。

その後、土曜日と日曜日は終日満員になるので「1日3000円+ドリンク飲み放題」にしたのですが、これが当たりました。

全部で32席ありましたから、土日の売り上げは1日9万6000円です。それが4週トータルで約80万円となります。平日の売り上げは20万円ほどでしたから、合計で月商100万円になったのです。

出典=『一生お金に困らない山投資の始め方』
初期投資100万円でボードゲーム店をオープン。すぐに月商100万円を稼ぎ、利益は月40万円。経験ゼロでも工夫次第で十分成功できると実証