女性にはスカートとハイヒールが絶対不可欠なのか

また、正装問題に関してもうひとつ、多くの人が気になっているのは「女性はヒール靴がマスト。フラットシューズはNG」というマナーについて。ビジネスマナーでは、5〜7cmのヒール靴が正装とされ、通常でも3cm程度のヒールを推奨している。

この女性限定のビジネスマナーに関する問題は「#Kutoo運動」としてニュースなどにも取り上げられ、一時期議論されたことは記憶に新しい。

写真=iStock.com/megaflopp
※写真はイメージです

今回のアンケートでも「女性はヒール靴着用というマナーをどう思いますか?」と問いかけたところ「大いに反対」「場合によって反対」「あまり賛成できない」を合わせると、実に全体の70%近くがこのマナーに難色を示しており、賛成はたったの1.6%という結果になった。

好きで履くぶんにはいいけれど、歩きにくく、時には痛みを伴うヒール靴をあえて履かなければならない苦痛は、経験者にしかわからないこと。女性の声を詳しくみてみると、「もはやマナーとして存在していない」「聞いたことはあるが自分もまわりも実施していない」という意見も意外に多い。#Kutoo運動をひとつのきっかけに、ビジネスに適したシューズへの意識の変化は徐々に広まっているのだろうか。

反対の人の意見としては「TPOに合っていればいい」(運輸・46歳)、「カジュアルすぎなければヒールがあってもなくてもいい」(出版・33歳)という意見がほとんどで、決められた形を守るというよりはその場にふさわしいチョイスができているかという、個々人の感覚を多くの人が重視していることがわかる。

男性か女性か、という性別をふたつに分けること自体がナンセンスとされるこの時代。意識やあり方の大きな変化にともなって、“昔から決められてきたもの”に疑問を感じたり、それを改めたいと思ったりするのも当然かもしれない。その証拠に、昔ながらのマナーに振り回される人よりも、自発的に考え、臨機応変に行動できることのほうが重視されていることが回答の端々から感じられた。

大切なのはもちろん仕事への姿勢や相手への配慮だが、一方で「いい仕事さえしていれば、いつ、どんな時に、何を着ていても、気持ちは伝わる」というほど、ビジネスの場は甘くないのも事実。女性限定のファッションマナーに関して、あなたはどう感じただろうか。

関連記事
「ご覧になられましたでしょうか」3000人調査で判明した"他人をイラッとさせる"敬語の代表例
そもそも敬語になっていない…「させていただく」と言われるとイラッとする言語学的な理由
「だから」「ですから」はまだマシ…相手に不快感を抱かせる最悪の「Dことば」とは何か
仕事ができる人は知っている…「よろしくお願いします」より効果的なメールの締めのフレーズ
「ワイン離れが止まらない」フランス人がワインの代わりに飲み始めたもの【2021上半期BEST5】