時代錯誤? マナーに潜むジェンダー問題
女性の仕事上の正装は「スカートが正解」というボトムスマナー、次いで多かった意見が「時代錯誤だと思う」32.4%。やはり日々どの分野においてもジェンダーレスが加速化しているなかで、この意見が出るのはもはや自然な流れと言えるだろう。
「男性だから、女性だから、ということで指定されるのにも違和感」(広告・41歳)、「性別ではなく“TPOに合ったその人らしさ”が出ればいい」(商社・33歳)という考えが大半で、ジェンダーで服装のマナーを変えることに違和感を持つ人が増えてきているようにも感じた。
なかには「子どもたちの制服も性別に関係なくボトムスを選べる学校が少しずつ増えてきたので、大人自身も日常から意識を変えてもいいと思う」(技術サービス・47歳)という人も。さらには「女性=スカートという納得できる理由が見当たらない。マナーでなく性差別にも取れる」(医療・37歳)という声も上がった。
さらにはこの女性特有のマナーには、嫌悪を覚える人も少なくない。「誰にとって何のためなのか、このマナーの存在自体、謎に感じる」(保険・35歳)、「そんなマナーがあることすら不快。誰が得するのだろうと考えてしまう」(デザイナー・40歳)、「令和の時代にスカートを押し付けるマナーのほうがどうかと思う」(メーカー・29歳)という強い意見もあった。
実際、ジェンダーレスを推進し性差別撤廃の声が高まっている欧米では、要人女性の多くが、フォーマルなビジネスの場であってもパンツスーツをさっそうと着こなしていることが多い。こうしたことからも「ジャケット+スカートが正解」は、前時代的なビジネスマナーと化しているともいえる。
一方で、スカート賛成派は「女性ならスカート着用が美しく見える」が7.8%、「かしこまった場でのパンツスタイルに違和感をおぼえる」が2.9%。こう答えた人の意見としては「統一感を持たせるには、必要な場合もあると思う」(通信・30歳)、「個人的にはボトムスの種類はそこまで重要だと思わないが、マナーを守ることで表現できる礼節もあると思う」(ブライダル・50歳)、「伝統的であるぶん、品格が出るような気がする」(営業・42歳)などが挙げられた。