「だとすればインドでネームバリューのないSRをモデルチェンジして投入しても、市場に君臨する巨人のカリスマ性を打ち破って台数を稼ぐには、販促活動にかなりのパワーが必要です。ヤマハはそうした要素を総合的に判断し、現状ではSRをインドに投入する判断を下していないのだと思います」

写真=ヤマハ発動機
標準仕様とは別に限定1000台のみ生産された、「ファイナルエディション・リミテッド」。塗装やエンブレムなどに特別な仕様が施されている

命脈を途絶えさせるのはあまりに惜しい

となると、昨年の爆発的な売れ行き(もちろん生産終了に反応した駆け込み需要も含まれているだろうが)や別れを惜しむ声の大きさにヤマハが前言撤回し、万が一にも規制対応版がカムバックする目は、今回ばかりはないのだろうか。

「SRはタイでは現行車として残っていますので、可能性はゼロではないとは思いますが、『ファイナルエディション』とまで謳ってしまった以上、ヤマハのメンツ的にも出しにくいでしょう。仮に出すとしても、40年以上前のバイクをさらに継ぎはぎして規制対応させるくらいなら、各所を現代的にアップデートさせ、排気量も変更するなどのフルモデルチェンジを行う方向となるはず」

「しかし、この先は電動なのか何なのかとパワートレインの次世代が読めない昨今、新規でエンジンを開発するのはメーカーとして荷が重すぎます。そうした状況から考えるに、SRの復活はかなり難しいのではないでしょうか。ただ一ライダーの個人的意見としては、ヤマハの挑戦をぜひ見てみたいのですが……」

SRはヤマハのみにとどまらず、日本バイク史の中で燦然と輝く名作である。命脈を途絶えさせるのは、あまりに惜しい。

規制の壁を超え、〈その手があったか〉とファンをうならせる『シンSR』として蘇る日を、今はただ待ちたい。

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