ネット販売や都内を含む百貨店など年間7000枚以上売れている

会社設立資金集めのために、助成金の申請に役所に通ったり、投資家にプレゼンしたり。クラウドファンディングでは目標100万円で支援を募ったところ、たちまちその2倍が集まった。そうした事業資金集めと同時に、協力してくれるスタッフのリクルートもあり、やらなければならないことが山ほどあった。

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「でも、僕のこれまでの人生の中で一番多忙だったのは高校3年生の時なんです。野球部で甲子園を目指しながら、薬学部受験に向けて練習後に夜10時まで予備校通い。あの頃の多忙さが僕の忙しさの閾値いきちを上げました(笑)。薬学部で卒論を書きながら医学部編入の勉強をした時も大変でしたが、時間に追われている時のほうがやりがいを感じるタイプのようです」

そうした奮闘のかいもあって、アンジュはネット販売や都内を含む百貨店などの店頭販売を中心に年間7000枚以上も売れているが、さらに販売数を増やし知名度を上げたいという。

「栄養価が高く、体に悪いものが入っていない完全食チョコは、食の細くなった高齢者や育ち盛りの子供、食事や運動に気遣う健康志向の人、それに、こうした体に優しいチョコを誰かに贈りたい人など、多くの人に受け入れてもらえるはずです。なんといってもチョコはバレンタインデーなどギフト文化の象徴でもある。ニーズは今後も広がると確信しています」

完全食チョコを販売する起業家でもある医学部生の中村恒星さん(撮影=高津尋夫)

薬学部→医学部→起業と成長を続ける中村さんの目下の目標は、外科医になることだ。会社経営との両立も含め、この先が楽しみだ。

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