リビングや書斎に配置

コロナ禍では、ステイホームやテレワークの影響から、自宅で過ごす時間が増えたり、ペットを飼ったりするようになった人も多い。冷食だけでなく、仕事の合間に「ちょい飲み」「ちょい食べ」する飲料やスイーツ(含・アイスクリーム)を手軽に出し入れしたい、あるいはペットフードを保存したい、などのニーズも高まったと考えられます。

つまり、冷蔵庫(冷凍庫)の利用シーンは、コロナ前よりさらに多様化したはず。

そんななかで発売されたR-K11Rは、「セカンド冷凍庫」でありながら、冷蔵機能も含めてより幅広いニーズに応える商品にしたい、との小川さんたちの思いがありました。ゆえに保存したい食品に合わせて、温度を「冷凍(約-18℃)」だけでなく「冷蔵(約2℃)」や「常温(約15℃)」にも切り替えられる機能を搭載。

冷蔵に設定してリビングや書斎に置けば、「ちょい飲み」「ちょい食べ」したい飲料やスイーツ、おつまみなども取り出しやすくなるでしょう。常温に設定すれば、カップ麺やペットフードのストック用にも使えるはずです。

写真提供=日立グローバルライフソリューションズ
リビングや書斎にもなじむデザイン。

こうしたR-K11Rの成功もあり、日立GLSは22年春、さらに新たなコンセプトの冷蔵庫の発売を決めました。その名は、「Chiiil(以下、チール)」。

「chilled(チルド/冷やす)」や、最近若者がよく使う「chill(チル/寛ぐ)」を想起させる名前で、冷凍機能はないものの、「冷蔵」と「セラー」の温度帯が選べ、それぞれ3段階の冷却レベルで設定できる点は、R-K11Rと同じ。

そのうえ、大手家電メーカーとしては画期的な考えを、新たに2つ取り入れたのです。

「白物」の枠を超えた新しい発想の冷蔵庫

1つは、多彩なカラーバリエーション。冷蔵庫は通常、「白物家電」の呼称に象徴される通り、白、またはベージュやメタリックが圧倒的に多い。採用色が多ければ、それだけコスト高になりやすく、大手メーカーの多くは色を増やしたがりませんでした。

写真提供=日立グローバルライフソリューションズ
10色展開のChiiil

ところがチールは、ホワイトやダークグレーのほか、カスタムカラーとしてオークやモス(グリーン系)など、全10色から選べる仕組み。具体的な色味は、「インテリアショップ『ACTUS(アクタス)』とのコラボレーションによって、家具などとの相性を考えて展開を決めました」と小川さんはいいます。