人づき合いが億劫になるのは黄信号
このように、人づき合いが億劫になるのも、男性ホルモンの減少による重要な症状です。
女性は更年期以降男性ホルモンが増えるので、意欲的になり、これまでより人づき合いが豊かになることも珍しくありません。高齢者の団体旅行に女性が多いことなどは、こうした理由もあるのかもしれません。
さらには男性ホルモンの分泌が減ってくると、判断力や記憶力などが鈍ってくることもわかってきています。
40代からは60代以降に実現する「夢」を持つ
終身雇用・年功序列制度が一般的だった時代、中間管理職に求められる資質は部下の話をよく聞き、上役の意向とのバランスを取って調整する能力でした。こうした役割は、自己主張を押し殺せるほうがうまくいきますし、そのため、かつては男性ホルモンの分泌の減退気味な人が中間管理職になることに目立った問題は生じませんでした。
ところが、競争型のリーダーシップが求められるようになったいまの時代の40代は、男性ホルモンやセロトニンの分泌量が減ることのリスクを被りやすくなっています。意欲や活力が低下し、適応能力が落ちている人に対しては、会社側がセカンドキャリア研修に留まらず、早期退職や転職などを示唆してくるケースもあるでしょう。
あるいは、定年後に起業を考えている読者の方であれば、何をどのように扱って起業するかというアイデアだけは40代のうちに温めておくのがよいでしょう。知人の定年後の起業に詳しいコンサルタントによると、定年間際や定年後にようやく起業について考えるという人は、だいたい失敗するそうです。
60代ともなれば、前頭葉が司る創造性や意欲は40代のころよりかなり落ちているでしょう。40代のうちから、夢を持つだけでなく、具体的に準備を進めていなかった人は、定年後からのスタートでは想像もしていなかったような苦しい思いをすることにもなりかねないのです。