「収入に直結しない」努力を要するものを探そう
さて、「大人の勉強」をはじめると決めたはいいが、どんなものが取り組む対象になるだろうか。好きなものをどうやって見つければいいのかがわからないときは、外的報酬が得られるかどうか(お金が儲かりそうだとか、周りの人に褒めてもらえそうだとか、将来何かの役に立ちそうだなど)という色眼鏡を外し、心からやってみたいと思える「努力を要するもの」を探してみることだ。
外的報酬を得ることを第一に考えてしまうと、その時点で「好きだからというただそれだけの理由でやる」ことが難しくなる。
私は自分自身の体験から「収入に直結しないもの」という観点で探すことをおすすめしたいくらいである。なぜなら、もしそれを続けられるとしたら、「好きだからというただそれだけの理由でやる」という証になるからである。
好きなものがなかなか見つからないという人は、意識して興味のありそうなものに当たってみよう。学生時代に少しかじったが途中で挫折したこと、ずっと前にやりたいと思っていたが忘れかけていたこと、興味の周辺にあるものから探ってみてもいいだろう。たとえば、次のようなものを取っかかりにすると見つけられるかもしれない。
・通信教育で学べることを探してみる。
・趣味の団体を探してみる。
・チャレンジしてみたい資格試験を探してみる。
・雑誌や新聞などで成功している人の体験談を読んでみる。
・各種学校やカルチャースクールで学べることを探してみる。
・情報誌で作品を公募している情報を探してみる。
・大学の通信教育課程や社会人講座で学べることを探してみる。
「他人の体験談」はヒントになる
見つけようと意識してアンテナを張り巡らせていると、必ず引っかかるものに出合えるはずだ。「もしかするとこれかもしれない」と思えるものが見つかるかもしれない。
テレビのドキュメンタリーやインターネットでは、さまざまな分野で活躍している人が紹介されている。また、ある雑誌では次のような例が紹介されていた。
40代の例として、大学院で博士号取得、マインドフルネス瞑想、和裁の勉強、ヨガ資格取得、保育士試験合格、がん化学療法看護認定の看護師など。
50代の例として、CFP(サーティファイド・ファイナンシャル・プランナー)やキャリアコンサルタント資格取得、俳句と短歌、電気工事士、芝居とダンス、ボイストレーニング、太極拳など。
こうした人たちの体験談を読むと、心からやってみたいと思える「努力を要するもの」が見つかるかもしれない。見つかったらしめたものだ。早速着手してみるといいだろう。