「僕らの役割は温泉リゾートのデベロッパーのようなもの」

採用、働き方、社員同士のコミュニケーション――隅々にまでクラシコムのカルチャーを行き渡らせる。そこまでやり抜いて初めて、「価値観」を基盤にしたコミュニティーに求心力が生まれるのだ。その上で多彩なビジネスを展開していくことも可能になる。土壌がしっかりしているから、そこに根を張る草木ものびのびと成長できるというわけだ。

近年、同店は「ライフカルチャープラットフォーム」を自称するようになった。今後に向けたビジョンをどう描いているのか。

「ライフカルチャープラットフォームというのは、温泉リゾートをつくっているデベロッパーのようなイメージです。山の中に『気持ちよく浸れるいい温泉』が湧いているから、交通網が発達し、人が集まり、話題になる。より多くの人に親しまれるようになる。『日帰りじゃなくて長く滞在したい』という人向けにホテルが建ったり、『素敵な体験を家に持ち帰りたい』という人が出てきたら土産物屋ができたり。その中心にある温泉というのは『僕らの価値観』を表現するものすべてです。動画や音声のコンテンツは『長時間、浸れること』を可能にしていく取り組みの一つ。新しい事業機会は、このイメージの延長線上に生まれてくると考えています」(青木さん)

撮影=今村拓馬
取材は東京・国立にあるクラシコムのオフィスで行われた
(取材・文=加藤藍子)
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