スマホやパソコンの操作中に前屈みになってはいないだろうか。兵庫医科大学の三輪洋人主任教授は「日中の動作でもっとも気をつけたいことは、猫背の改善。猫背はとくに、胃酸の逆流を誘発しやすいという研究報告があり、いま研究者の間でも注目されている」という——。(第2回/全2回)

※本稿は、三輪洋人『胃は歳をとらない』(集英社新書)の一部を再編集したものです。

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睡眠中は逆流性食道炎が起こりやすい

胃不調、胃疲労には、日常の無意識の姿勢や動作も大きく影響します。本稿ではその顕著な例を挙げ、セルフケアの方法を紹介しましょう。

まず、1日のうちで、姿勢や動作をケアしにくい「睡眠中」について考えます。睡眠中は、「1日のうちで食後2〜3時間と同じぐらいに逆流性食道炎が起こりやすい」ことがわかっています。寝ているときに酸っぱいものが食道やのど、口まで込み上げてきて目が覚める、咳が出るなどしてつらい人は多いでしょう。その原因は、睡眠中には食道や胃の運動が制限されることにあります。

具体的には、唾液や嚥下運動が少なくなって、食道へと逆流した酸が排除されにくくなることや、胃酸分泌が増える場合があることなどです。また、逆流性食道炎の場合は、睡眠障害や睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症しやすい、またその逆もしかりであることが知られています。神経質になる必要はありませんが、次に紹介する5つの方法は誰でもすぐに実践できるので試してみてください。

(1)逆流性食道炎や胸やけがある場合、上半身を高くする

猫背や前かがみの姿勢で胃が圧迫されると、胃液が逆流しやすくなります。逆立ちすると重力で胃から胸、のど元へと胃液が逆流しやすいのと同じです。知人の整形外科医は、「猫背や前かがみの姿勢が多い人は、寝ぐせでも背中が丸まっていることが多い」「座業、スマホ姿勢、パソコン姿勢が長い人も同じ」と言います。