うつ伏せで寝るのは避けるべき
(3)消化不良の場合は右を下にして寝る
逆流性食道炎の症状はない場合で、食べ過ぎの消化不良で胃もたれがする、食べてすぐ寝てしまいそうといったときは右を下にして寝ましょう。
胃の出口にあたる幽門とそれに続く十二指腸は体の右側にあります。食べ過ぎて消化不良の場合は、消化物を早く幽門から外へ送り出すために、右を下にしたほうがよいと考えられています。横向きで安定して寝やすい枕が市販されているので試してみるのもよいでしょう。
ただし、「逆流性食道炎も消化不良もあるようだ。どちらか迷う」という場合は、上向きに寝てください。胃の前庭部(図表3参照)から十二指腸へは背中側に流れやすくなっています。うつぶせでなければ問題はありません。
(4)うつぶせで寝るのはNG
うつぶせで寝ると、自分の体重による重力で胃やおなかが圧迫されます。すると、(2)で説明したように下部食道括約筋がゆるんで胃液が逆流しやすくなります。うつぶせで寝るのは避けてください。
就寝中に胸やけで目覚める人は逆流性食道炎の疑いあり
(5)締め付けが強いパジャマはNG
小さくなったパジャマやウエストがきついズボンは、胃やおなかを圧迫して胃液の逆流をまねくことがあります。パジャマはゆったりしたタイプを選んでください。就寝中の逆流性食道炎を改善するには、「寝る前3時間は食事をしない」「カフェインが豊富に含まれるコーヒー、緑茶、紅茶などや、お酒など刺激的な飲みものを避ける」ようにしてください。さらに、熟睡することが何より胃不調、胃疲労の改善に有用です。
よく眠れるように、休日でも寝る時間を毎日同じにして規則性をキープする、寝る直前までスマホやパソコンの操作、テレビを観るなどで光による脳への刺激を避けましょう。睡眠時間は7〜8時間はキープしてください。
一方、まだ受診していなくて、「日中はなんら症状はないけれど、就寝中に胸やけや口が酸っぱくて目が覚めることがある」という場合は、逆流性食道炎の疑いがあります。日中は大丈夫だからといって放置せず、早めに消化器内科や内科を受診してください。