高さがある枕を使っている人は要注意

就寝中に背中が丸まっていると、胃が圧迫されて胃液が逆流する可能性が高くなります。それを避けるために、おなかあたりから頭に向かって徐々に傾斜をつけて高くして寝てください。バスタオルの積み重ね、寝具やクッションを利用、マットを折り曲げるなど工夫しましょう。リクライニングができるベッドなら上半身を少し起こしてください。

どれぐらいの高さがいいかというと、床から一番高い頭部までが10〜20センチ、角度なら15度ぐらいという目安はあります(図表1参照)。

しかし、細かい数値は気にせず、自分で熟睡するための傾斜をあれこれ試してみて、ちょうどよい具合を見つけましょう。腰から頭部まで傾斜をつけた枕も市販されています。注意は、高さがある枕を使わないことです。

胃酸が逆流してのどまで上がってこないようにと、高い枕を選ぶ人は多いのですが、それではのどが詰まりやすく、睡眠時無呼吸症候群も発症しやすい、首こり、肩こり、寝違いを起こしやすいなど複数のデメリットがあるので避けてください。

症状によって寝る向きを変えてみる

(2)逆流性食道炎の場合は左側を下にして寝る

図表2を見てください。横向きに寝るなら、逆流性食道炎の人は、胃の形を考えて左側を下にして寝ることが推奨されています。胃は食道からつながって袋状になっていますが、約4分の3は体の中心より左側に寄っています。そのため、胃の内容物は左側のほうが溜まるスペースが広く、左を下にすると逆流は軽減すると考えられるのです。

一方、右を下にして寝ると、食道と胃の境界の少し上にある下部食道括約筋の圧が低下して開きやすくなり、胃酸が逆流しやすくなります。

なお、睡眠時無呼吸症候群の場合は、のどが落ち込まないように横向きで寝ることが推奨されています。逆流性食道炎がある場合は左側を下に、逆流性食道炎がない場合は次に紹介する右を下にして寝るとよいでしょう。