誘いが多い分、落とし穴も
プラチナゾーンの年代では、転職サイトを見ていなくても、親戚や知人から誘われることもあれば、企業が自社の社員に人材を紹介してもらう「リファラル採用」の一環で声がかかることもあるでしょう。
そうした誘いが来ると、今の職場に特段不満がない人、転職を考えていなかった人でも、つい心が動いてしまいがちです。
選択の幅が広がるのはいいことですが、誘いに乗って安易に転職してしまうのはちょっと問題です。この年齢帯の人には、今の職場に特に不満がなくても、声がかかると興味を持ってすぐ動いてしまう場合も少なくありません。しかし、そうした転職はのちのち後悔する原因になりやすいのです。
よく調べないで入社するとどうなるか
例えば、誘われたことに喜んで、「友達の紹介だから大丈夫だろう」と、先方のことをよく調べないまま入社してしまったらどうなるか。私の周りで言うと、入ってみたら業界下位の会社で、3年後には事業撤退してしまったというケースがあります。
その後もしばらく頑張ったものの結局倒産してしまい、36歳で新たに職探しを始めることに。すでにミドルゾーンに入っていたため求人数も少なく、選考の上でも「倒産するような会社にいた人」というマイナスポイントを抱えることになってしまいました。
また、同じくプラチナゾーンの年齢でベンチャーに転職したものの、すぐにM&Aで他社に吸収されてしまい、主力から外れてキャリアが止まってしまったというケースもあります。
この場合、「まだミドルゾーンに入っていないのだから、2回目の転職も成功しやすいのでは」と思うかもしれませんが、一度転職すれば履歴上は「転職経験あり」になります。まだキャリアの第1期なのに転職が2回目となると、長持ちしない人ということで、やはりマイナスポイントになることが少なくありません。