だが、この会見の白眉は、週刊誌の一連の報道やSNSに書かれている文章の中には、明らかに誹謗中傷のものがあり、「つまり深く人を傷つけるような言葉というのは、これは雑誌であれネットであれ、私としてはそういう言葉は許容できるものではありません」と、いい切ったことにある。
眞子さんも会見で、これまでの週刊誌などの報道を誹謗中傷と批判したが、秋篠宮の口から出ると言葉の重みが違う。
報道に「基準作りをしていく必要」と重大発言
娘・眞子の結婚が公になって以来、さまざまな媒体で報じられ、「私たちの家、秋篠宮家以外の皇室にも影響が出た」とはっきりいっている。
「天皇皇后両陛下がどういうふうに感じているとか、細かいことは私も記憶しておりませんけれどもありましたし、それからもっとはっきりしているのは、この娘の結婚に対して、上皇后陛下がいろいろ言われたとか、こういう考えを持っているというのが週刊誌に出たりもしました。(中略)実際に私もそういうことを聞いたことは一度もないわけですが、なかったということを説明しているのですけれども、それでもその後も続いたということがあり、やはり負担になったことは間違いないと考えています」
ネットの書き込みに対しては容赦がない。
「今そのネットによる誹謗中傷で深く傷ついている人もいますし、またそれによって命を落としたという人もいるわけですね。(中略)誹謗中傷、つまり深く人を傷つけるような言葉というのは、これは雑誌であれネットであれ、私としてはそういう言葉は許容できるものではありません」
ではどうするのか。
「何かやはり一定のきちんとした基準を設けてその基準は考えなければいけないわけですけれども、それを超えたときにはたとえば反論をする、出すとかですね。何かそういう基準作りをしていく必要があると思います」
皇位継承1位の秋篠宮が、メディアの報道に「基準を作れ」と重大発言をしたのである。
「開かれた皇室」というあり方に逆行する
朝日新聞デジタル(11月30日 5:00)によれば、「この方針は宮内庁も同調しているという」。秋篠宮の真意はどこにあるのだろう。
たしかに、眞子さんと小室圭さんの婚約内定延期の理由になった、母親と元婚約者との金銭トラブル報道の中には、眉を顰め首を傾げたくなるものが多かったことは事実だ。しかし、極端な例を取り上げて、宮内庁が「基準作り」に乗り出すというのはやめたほうがいい。
美智子上皇后が努力して築き上げてきた「開かれた皇室」というあり方に逆行することになるし、宮内庁や政府がメディアに対して言論統制を強めることにつながる危うさを感じる。
秋篠宮や宮内庁には悠仁さんの今後のことが念頭にあるのだろうが、彼を菊のカーテンの奥に隠してはいけない。