未来年表をつくる

ある時、「家族で世界一周したいね」と盛り上がった、とあるご夫婦。それを思い出したダンナさんは、奥さんにこう聞きました。

「今年は世界一周するんだよね?」
「いや、今年は無理じゃない? だって、お姉ちゃんが受験でしょ。お金はどうするの?」
「確かにそうだよね……」

思いつきで壮大な計画を遂行しようと思っても、このような会話が繰り広げられ、おそらく実現は難しいでしょう。

もし、家族で世界一周すると決めたら、準備期間がたったの1年では少し厳しいと思うのです。しかし、4年後に行くと決めれば、今から準備すれば実現の可能性は高くなります。ただし、その4年間を何もせずに過ごしていたら、明らかな段取りミスとなってしまうでしょう。

私の場合、4年後は無理ですが、二人の子どもが19歳と17歳になる7年後に行くと決めれば、家族4人での世界一周は充分射程圏内になります。準備さえ進めれば、年齢的にも予算的にも可能性は高まるのです。

どこに行くかは今から考えればいい。7年間は、目的地を選定するのに充分な時間です。そしてこのあいだに、親やご近所にも根回しします。いよいよ行くとなれば、周りの人にも心の準備ができていますから、「不在のあいだ、留守をお願いします」と甘えることもできるでしょう。

それができなかったのは、潜在意識の中で「家族で世界一周のための行動」の優先順位が低かったから。そして、未来を見ていなかったからです。

世の中には、未来を見るのが得意な人と、目の前を見るのが得意な人がいます。

未来を見ることが苦手な人は、3年後のことも考えられないといいます。でも未来のことを考えることができなかったら、欲しいものがあっても計画的に貯金できませんし、自分の人生を充実させるための資格もとれませんね。未来を考えられないのは、考える習慣がないだけ。であれば未来を見る習慣をつければいいのです。

そこで、ぜひつくってほしいのが「自分の未来年表」です。未来に向かって1年単位で年表をつくっていきましょう。書ききれない場合は、ご自身でエクセルに落とし込んでみてください。

まずは、自分の年齢、人生のゴールや挑戦することなど、自分の予定を書き込んでいきます。次に家族の年齢、そして子どもの進学や親の長寿祝い、結婚記念日など、ライフイベントを書き込みます。

何となく書き込んだ内容があっても大丈夫です。変更になったり、より具体的になったときは、あとから書き換えればいいのですから。

例えば、「美容講師の32歳の女性」の場合です。

33歳で婚約して、自分の美容メソッドをまとめた書籍を出版。34歳で結婚し、健康美容の伝道師として「セブンルール」(フジテレビ系)に出演。続けて、35歳で1人目の子供を出産するとともに「情熱大陸」(TBS系)に出演、さらに36歳で「プロフェッショナル 仕事の流儀」(NHK)に出演。翌年には2人目の子供を出産。そうやって知名度を上げ、43歳で自分のブランドを立ち上げ、仕事の活躍の場を国内外に広げる……。

いい意味で大風呂敷を広げることで、自分の人生を前進させることができるのです。