脱炭素へのロードマップは正しいか

一方で、日本ではハイブリッド車の比率は4割ほどになっている。脱炭素という視点から考えて、どちらの効果が高いかは一目瞭然だと思う。日本メーカーはもっとハイブリッドの意味を世界にもっと強くアピールすべきだ。

しかもハイブリッド車はEVのような不便さをユーザーに押しつけることなく、比較的安価にCO2排出量を半分程度にすることができる。生産時のCO2排出量もバッテリーが小型のもので良いのでEVよりはるかに少ない。

EVは充電設備の充実などインフラへの投資も必要で、そもそも生産にも走行にも電気が必要で発電量を抜本的に増やす必要も生じる(そうでなくても電力需要は逼迫ひっぱくしているのだ)。

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短期・中期・長期のプロセスデザインが必要

もちろん将来的にはすべての車を完全に脱炭素化すべきだろう。しかし同時に発電も脱炭素化にしなければ意味はない。

山崎明『マツダがBMWを超える日』(講談社+α新書)

原発の増設も容易ではない中、その道のりは険しく、既存電気需要ですらすべて脱炭素化するのもなかなか困難だと思う。加えて、暖房需要なども電気に置き換えなければならないのだ。

これは日本だけでなく、ほとんどの国に共通する問題で、急速に進んでいる欧州の再エネ発電化も遠からず限界点を迎えると思う。

ここ10~20年というレンジで考えたとき、EV販売比率を30~40%にするよりハイブリッドを100%にするほうが絶対に環境に優しいし、実現も容易だと思う。欧米の政府や環境団体やメーカーのプロパガンダに惑わされないようにするとともに、日本政府やメーカーもきちんと情報発信してもらいたいものである。

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