読書量と年収は比例すると思っている人

たまに書籍やネットの情報で見かけるのが「年収が高い人はたくさん本を読む。逆に年収が低い人はぜんぜん本を読まない。だから本をたくさん読んで年収を上げよう」みたいなロジックです。

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いやこれ、おかしいですよね。たしかに、さまざまな調査データなどでは「年収が高い人は本をよく読む」というのがあるかもしれません。でもそれって、どっちが原因で、どっちが結果なのかはわからないわけです。

つまり、たくさん本を読んでいるから年収が上がったわけではなくて、そもそも年収が高い人はお金に余裕があるから、本をたくさん買って読める……というだけかもしれないわけです。

だいたい、読書量と年収が比例関係にあるのだとすれば、古典とか漢文とかを研究している人のほうが、商社マンとか金融マンよりも年収が高くなるはずです。

でも、そんなことはありませんよね。大学の先生の年収はそんなに高くありませんから。これは別に読書に限った話ではなくて、「年収が高い人は○○をしている」「長寿の人は○○を食べている」というようなロジックは、鵜呑みにせず、疑ってかかったほうがいいでしょう。収入が多くなるとか、長生きするとかは、もっといろいろな要素が複雑に絡み合った結果だと思いますよ。

こういうロジックを使う人は、いかにも説得力がありそうな調査データとかを使ってきますが、データをいくら見ても、その因果関係まではわからないはずです。というか、本を読む目的が年収アップのため、というのは、発想が貧相というか、切ないですよね。

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