保護者の金銭的負担は重いが、今必要とされる教育の形
まだ高等部ができていないので、進学実績はありませんが、留学や海外大学への進学を希望する生徒も多いといいます。これまでの東大を頂点とする偏差値主義の教育とは一線を画す、多様な進路に進む生徒が出ることが期待されます。
それにしても、東京都の私立中学における令和3年度初年度納付金の平均が97万176円(入学金25万9706円、授業料48万2162円、施設費3万7881円、その他19万421円)なのに対して、ドルトン東京学園の初年度の納付金は148万円(入学金40万円、授業料93万円、施設維持費9万円、教育充実費6万円)。東京都の私立中学校で3番目に高い金額です(東京都「令和3年度 都内私立中学校の学費の状況」より)。保護者の負担は重いのが事実です。
でも、これだけの施設と、少人数制によるきめ細かい教育を受けられるというメリットもあります。
現時点では、こうした教育が受けられるのが一部の人に限られてしまうのが残念ですが、正解のない時代においては、生徒一人ひとりの中から湧き出る学びへの意欲を喚起する教育が必要とされています。「学習者中心主義」で、生徒一人ひとりが自分の立てた目標に向かって学習を進めていく教育は、今、求められているはずです。
100年前からある教育が、ICTという新しい道具を手に入れることで成功することで、日本の標準教育システムとして広がってほしいと思いました。