授業で使うPCはあえて一括購入しない

ドルトンプランが作られた100年前は、1クラス70人という大教室で授業が行われていたので、とても学習者主体の教育などできませんでした。それが現在1クラスの人数が半分になり、教育にICTが取り入れられるようになったことで、ようやく、ドルトンプランの「自由と協働」という理念が実現できる下地ができたと言えるのかもしれません。

実際、ドルトン学園の1クラスの人数は25人。これくらいのサイズであれば、教員はすべての生徒の様子を把握することができそうです。それに加えて、生徒は一人一台のPCを持ち、それを活用した授業が行われていました。

PCは家庭で自由に購入したものを使う、BYOD(Bring Your Own Device)方式を採っています。授業で扱いやすいからと学校で一括購入するケースが多いのですが、ドルトン学園があえて同じものを与えていない理由は、PCは文房具のレベルになっているから。自前のものを使い勝手の良い文房具として活用したほうが学びやすいという考え方です。

図書館の机に置かれたノートパソコンと書籍
写真=iStock.com/Nutthaseth Vanchaichana
※写真はイメージです

教師と生徒の契約によって作られる学習プラン

新型コロナウイルスの影響によって公立小中学校でも、学校教育にICTが取り入れられようとしているなか、私立ではだいぶICT活用も進んでいます。では、ドルトン東京学園の教育は、どこが他と違うのでしょう。

ドルトンプランは、「アサイメント・ラボ・ハウス」という3つの柱によって組み立てられています。大きな特徴は、定期テストがなく、生徒と教師の契約によって、カリキュラムが組み立てられていることです。そして、異年齢集団による学び、好きなテーマについて探究を行う時間があります。1つずつ説明しましょう。

【アサインメント】

これは、学びの羅針盤とでもいうようなものです。ドルトン東京学園には、定期テストがありません。先生と生徒が契約をして、4〜8週間単位で学びを進めていきます。その際、いつまでに何をし、何ができるようになるかを把握できるようにしたものがアサインメント。学習内容ごとに用意されており、学習の目的や到達目標、方法、手順などが示されています。進捗も含めて、生徒の情報はすべてクラウド上で管理され、保護者にも公開されます。